決して食べ過ぎたわけでもない翌日に体重を量ってみると1㎏も増えてる!なんて経験ありませんか?
実はたった1日で筋肉や体脂肪は1㎏も増えません。よって1日の体重の変動、増減はさほど気にしすぎる必要は無いのかもしれません。
なぜなら、その体重増減、変動の主な原因は『水分量』だからです。
この記事を読むと、1日の体重の増減や変動について理解することができ、
短期間での体重の増減や変動について、過度に恐れる必要がなくななります。
結論は、1日の体重増減は気にする必要はありません。
たった1日での多少の体重の変動、増減は気にしすぎる必要はありません。
1日の体重の増減幅
体重は、飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりすると増え、汗をかいたりトイレでの排泄を行えば減ります。
例えば1㎏のお米を食べてすぐ体重を量れば1㎏増えています。
このように体重は一日中変動を繰り返しているのです。
ではその増減幅はどのくらいなのでしょうか?
2013年に法政大学フェンシング部の選手を対象に行われた研究があります。
男子選手19名のコンディションに関して行われた研究で、約1週間の合宿期間中に体重等の測定を実施しました。
1日の体重の増減率最大の幅は、合宿3日目に体重減少で-6.76%、体重増加で+3.53%との結果でした。
参考:フェンシング選手の夏期合宿中の体重,水分摂取,鼓膜温 法政大学体育研究センター
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302223282401685
これは例えば60㎏の人で、およそ-4㎏、+2㎏となります。
体重は1日でこれほどの変動をするんですね。想像以上じゃないでしょうか?
1日で体重が増えたりする事はわかったけど、それは脂肪じゃないの・・・?
体重の増減の中身は何でしょうか?気になりますよね。
安心してください。
脂肪は1日で1㎏も増えません。脂肪1㎏=7,200キロカロリー
そんな体重の半分は水分量です。
身体の体重の60%は水分でできている
引用:大塚製薬株式会社https://www.otsuka.co.jp/ https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/body-fluid/
また、アメリカの臨床運動生理学者のジェフリー・A・ドルガン氏はshapeに掲載された記事へのコメントとして、水分量の変化は10ポンド(4.5㎏)程変動する可能性があると伝えています。
参考:https://www.shape.com/weight-loss/tips-plans/help-why-does-my-workout-cause-weight-gain
体重増減に与える影響
水分量の変化が体重増減に与える影響
ここで実際に体内水分量の変化が、体重にどの程度の影響を与えるのでしょうか?
一般成人における1日の水分排出量をみてみましょう。
皮膚からの蒸散 0.35ℓ
肺からの蒸散(呼吸) 0.35ℓ
汗 0.1ℓ
便 0.1ℓ
尿 1.4ℓ
合計 2.3ℓ
参考:ガイトン生理学 第11版 第25章
一般成人における1日の水分排出量は合計2.3ℓとなります。
水の重さは、1ℓ=1㎏となりますので、
食事や水分摂取をしなかった場合、2.3ℓの水が失われ体重が2.3㎏減るということになります。
激しい運動や、気温が高かったり体温の上昇などによって汗をかくこともあります。
そして下痢や嘔吐があればもっと水分を排出することになります。
その際は4ℓ以上の水分が排出されてしまいます。
ただ実際は、食事もとりますし適宜水分補給もします。
健康な人であれば、身体は水分摂取量の変動に幅広く対応してくれます。
摂取する水分が少なければ、身体は水分を節約して消費しますし、逆に多ければより多く排出します。このように水分の摂取、排出のバランスが直接体重に影響を与えます。
水分量以外の体重増減はないのか?
では、体重に影響を与えるのは本当に水分量だけなのでしょうか?
ここでは水分量以外での体重増減についてみていきましょう。
エネルギーバランスによる影響
基本的に体重の増減は、摂取エネルギーと消費エネルギーの差(エネルギーバランス)によって決まります。
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば体重は増加します。
そしてエネルギーバランスへはどのような要因が影響しているか?については、
2021年10月、二次研究であるナラティヴレビューとして、ドイツのキール大学にて研究されていました。
この研究では、運動や、気温や季節、加齢、睡眠時間、タンパク質の摂取量などがエネルギーバランスに影響を与えると考察しています。
もちろん個人差があり、一概にどれほどの体重増減があるとは言い切ることはできませんが、影響はあるようですね。ただ、もちろん水分量も寄与しているので、全くの水分量以外ということにはならないかもしれません。
参考:What Is the Impact of Energy Expenditure on Energy Intake? Department of Human Nutrition, Institute of Human Nutrition and Food Science, Christian-Albrechts University Kiel, Düsternbrooker Weg 17, 24105 Kiel, Germany
女性ホルモンによる影響
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類がありますが、女性における黄体期にはプロゲステロンの分泌がさかんとなります。
この影響でからだに水分を溜めやすくなる傾向がある為、水分量により体重が増減しやすくなります。こちらも水分量の影響ですね。
日焼けによる影響
こちらも結論はカラダの水分量の増減になるのですが、日焼けをすると体重が増えます。
これはなぜかというと、日焼けは程度の違いはあれど「やけど」であり、カラダはそのやけどを治そうと水分をため込みます。
それにより見た目では体にむくみや水ぶくれがあらわれ、体重増加に繋がります。
皮膚は皮下組織を含めるとなんど体重の16%を占めますので納得ですよね。
測定時の服装やアクセサリー等の影響
意外に忘れがちですが、服装やアクセサリーによって体重の増減は発生します。
洋服なんて大した重さじゃないと思われている人も多いようですが、夏服と冬服では1㎏以上の差があったりします。
当然、裸で測定するのと服を着て測定するのでは差が発生しますよね。
注意してください。
体重計の故障、誤差の影響
測定する体重計が壊れていては、正確な体重を把握することはできません。
また、電池式であれば電池切れ、測定する際にカーペットなど敷いてないか注意が必要です。
また、アナログ式ではバネを使用してますので、使用すればするほど消耗していきます。デジタル式では、保管を縦置きにしていると誤差が生じてくる製品もあります。
最近の体重計は家庭用でも非常に精密な製品もありますよね。一方でかなりの誤差が発生する体重計もあります。
このように体重計の故障は直接体重の値に大きな影響を与えますので注意しましょう。
体重計には誤差があります。
では、どうやって体重を測定すれば良いのか?
それはなるべく同じ条件で測定することです。
ここまで、私たちの体重は水分量とともに1日のうちでも、食事や排泄、運動や入浴など様々な影響を受けていることがわかりました。
このことを念頭において、可能な限り一定の条件で測定することが望ましいでしょう。
当然運動後や、食事のあとは避け、同じ体重計を使用し、適切な場所で同じ時間帯で測定することが重要です。
また、一週間の平均で見比べるのもありですね。
じゃあいつ測定すればいいの?おすすめは?
ズバリ朝イチもしくは就寝前です。
私は、起床したらまず水(白湯)を1杯飲む。その後トイレにいき小をしてから測定してます。
まとめ
1日などの短期間での体重増減は、水分量の増減が多いということで、下記の通りそこまで心配する必要はありませんね。
- 水分量の増減が原因である可能性が高い
- 水分以外では季節や気温、睡眠時間等の影響もある
- 体重測定時の服装等、条件の変化による影響
- 体重計の故障
- 体重は朝イチもしくは就寝前で同じ条件で測定する
!体重の増減には個人差がある
!? 昨日そんなに食べてないのに体重が増えてる・・・。なんで~!!